女性社外取締役が注目されている社会的背景、女性社外取締役を登用する企業側のメリット、女性社外取締役を招く際の企業側における注意点などについて解説します。
市場における消費者の価値観が多様化している以上、企業にも市場の多様化に合わせた革新的な意思決定が求められます。投資家もまた、その投資判断において企業の多様性に注目しています。
企業の多様性を担う重要なポストの1つこそ女性社外取締役。時代が進化すればするほど、その重要性は高まっていくでしょう。
グローバル競争の中において、現代の企業は様々な課題に直面しています。
主な課題の1つが意思決定の硬直化。過去の成功体験等に依存した意思決定プロセスを重視するあまり、現代の消費者が求める視点を正しく把握できない場面が見受けられます。消費者視点が欠如した意思決定を続ける企業は、遠からず市場から淘汰される可能性があるでしょう。
また、企業をとりまくステークホルダーたちからは、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資を重視した視点を経営に取り込むよう求める声が上がっています。多くの企業にとっては、十分な対応経験のない要望かもしれません。
これら現代企業を取り巻く各種の課題へ対応するためには、女性を含んだ多様な視点を持つことが不可欠。意思決定機関に女性の視点を取り入れることは、今後の企業存続にとって重要なテーマとされています。
政府は2023年に「女性版骨太の方針2023」を公表し、プライム市場の上場企業に対して2025年を目途に女性役員を1名以上選任するよう努めること、そして2030年までに女性役員の割合を30%以上とすることを目指す目標を設定しました。
これらの政策は、企業における性別多様性の促進を図り、経営において様々な視点を取り入れることを目的としています。
このような政府の方針は、企業が女性社外取締役を起用する重要性を高めています。
SDGs(持続可能な開発目標)の「5」にも取り上げられている通り、ジェンダー平等は国際社会における重要なテーマの1つ。日本はもちろんのこと、世界中で女性の能力開発を促進させる動きが加速しています。
この世界の潮流に対して頑なに男性中心経営を貫いた場合、その硬直化した姿勢自体が社会的な評価を低下させ、ひいては企業の競争力低下を招くことになるでしょう。
これら現状と企業のあるべき姿の実現に向け、近年は欧米でもアジア諸国でも女性の社会進出を推進する動きが活発化。その一環として、多くの企業では女性役員比率の向上に向けて積極的な検討を行っています。ジェンダー平等の実現と企業価値の向上は、密接に連動する時代へと突入しています。
女性社外取締役が求められる世界的・社会的な背景の1つとして、法的規制とガイドラインの影響があります。
世界的な流れとして挙げられる象徴的な法的規制が、2008年にノルウェーで施行された女性役員比率に関する法律。上場企業における女性役員比率を40%以上とする規制で、フランスでも同様の規制が導入されました。
日本では同様の法律は存在しないものの、コーポレートガバナンス・コードにおいて、企業に対する多様性の推進が求められています。取締役会に対し、性別や国籍などにおける多様性を反映させることが企業成長のベースにあるとし、その実現に向けた企業の取り組みを促しています。
社会全体における価値観の多様化に伴い、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資が注目される時代となりました。ESG投資の成長は、社会に価値を提供する企業そのものに対し、偏りのない多様な役員構成であることを求めます。
この社会的な求めに呼応する形で、自社の投資価値を高めたい企業は女性社外取締役を積極的に登用。結果、現代においては「女性社外取締役の比率が高い=投資家にとって魅力的な企業」という構図が如実に見られるようになりました。
女性社外取締役を登用することで、企業内には従来と異なる多様な視点が生まれる可能性があります。これら多様な視点が、価値が固定化された企業の中に革新的なアイディアを生んだり、多様化する社会での企業活動のリスクヘッジにつながったりすることもあるでしょう。
社会の多様化が止まらない以上、企業における意思決定の多様性向上は、結果として市場競争力を高めることにつながります。
女性消費者をターゲットとする商品・サービスの開発において、女性社外取締役は大きな役割を果たすでしょう。
女性消費者の本質的ニーズの発掘において、男性役員の視点のみでは、往々にして限界にぶつかります。女性消費者のサンプルで一定の方向性を探るものの、市場インパクトのある大胆な商品・サービスを開発することはできません。
一方で女性社外取締役は、言わば女性消費者そのもの。女性の視点と役員の視点をハイブリッドさせれば、市場インパクトの強い革新的な商品・サービスが生まれる可能性もあるでしょう。
女性社外取締役を登用することで、取締役会の透明性・公平性が向上。実質的にも形式的にもガバナンス強化が実現し、市場における企業のブランド価値向上へ貢献します。
もとより、近年の消費者や投資家は、企業のブランド価値を評価する重要な指標としてESGに注目しています。女性社外取締役の登用による取締役会の多様性は、消費者・投資家の行動判断に大きな影響を持つことになるでしょう。
女性社外取締役の存在は、現職の女性社員や新たに入社する女性社員たちの重要なロールモデルとなるでしょう。
これまで女性リーダーのロールモデルが存在しにくかった企業では、これにより女性社員の人材育成が増強。女性の活躍の場を広げ、キャリアパスを示すことを通じ、ひいては企業に有能かつ多様な人材が集まりやすくなります。
新たな人材の継続的な確保は、企業の長期的な成長の土台となります。
企業の多様性確保やESG投資への対応が急務となる中、女性社外取締役の登用は重要な経営課題です。しかし本記事で解説したように、自社の課題に合う「適切な候補者の選定」や「サポート体制の構築」には専門的な知見が求められます。
こうした高度な人材サーチと採用プロセスを支援するのが、エグゼクティブサーチの専門会社です。専門のコンサルタントは、企業のガバナンス方針やカルチャーを理解し、多様なネットワークから自社に適した候補者を探し出します。
当サイトのトップページでは、女性役員の招聘実績が豊富な会社など、信頼できるエグゼクティブサーチ会社の選び方や各社の強みを網羅的に解説しています。自社の多様性を推進するパートナー選定にご活用ください。
男性役員と同様、女性役員を登用する際にも「適切な候補者」であるかどうかを見極めることは、何よりの大前提となります。社会的な要請を背景に、単に女性役員比率を増やすことだけを目的にした場合、本末転倒の結果になりかねないので注意してください。
適切な候補者であるかどうかを判断するためには、まず候補者の専門分野やスキルセットが自社の課題にマッチしているかどうかを確認することが第一。加え、財務や法務、マーケティングなど、企業経営に関するゼネラルな経験や知識の有無もチェックする必要があるでしょう。最終的にはコミュニケーション能力やリーダーシップも考慮し、女性社外取締役としての適任性を判断します。
いかに適任の女性役員であれ、その能力を十分に発揮させるためには社内の理解やサポート環境の整備が必要です。
社外から招く女性役員である以上、まずは社内の文化や運営を理解させなければなりません。速やかな理解が進むよう、情報共有やコミュニケーション手段等の環境を整備するなど、事前に各種の準備を行う必要があるでしょう。
また、女性役員特有のニーズも把握し、可能な限り企業は柔軟なシステムを完備します。たとえば夫婦共働きの女性役員を招く可能性があるならば、時短勤務や育児支援等の社内制度を整備することが大切でしょう。
もちろん、これらの環境整備が女性社外取締役「だけ」のものであってはいけません。既存の女性社員の間に不公平感が生まれないよう、バランスを考えた整備を行う必要があります。
女性社外取締役が注目されている社会的背景、女性社外取締役を登用する企業のメリット、女性社外取締役を迎える際の注意点等について解説しました。
価値が多様化する現代において、社外取締役という立場から女性の視点を取り入れることに、今や否定的な見解はないでしょう。ただし、「どのような人材が自社にとって適任かの判断」「適任とされる人材の発掘手段」について、経験やノウハウをお持ちの企業様は少ないかもしれません。
そのような企業様に対して活用をおすすめしたいのが、ヘッドハンティングを行うエグゼクティブサーチ会社のサービスです。これらの会社では、企業ニーズや企業文化に合わせた多様な候補者リストの提供、専門性の高いスクリーニングによる適切な人材発掘など、企業様単体では難しいエグゼクティブ人材に関する各種サービスを用意しています。また、業界ネットワークも構築済みなので、適任人材の採用プロセスの効率化にもつながるでしょう。
弁護士会や証券会社からの紹介というルートもありますが、より広範な選択肢を考慮に入れることができます。女性社外取締役の登用に際し、ヘッドハンティングのメリットを詳しく知りたい方は、以下のページも参考にしてみてください。
画像引用元:タイグロンパートナーズ公式HP
https://www.tiglon-partners.com/ex-search/
コンサルタントが各業界に精通し経営課題と理念を理解し、そこに共感した人材を紹介しているため、ミスマッチが起こりづらいのが特長。時間をかけてでも自社の課題を把握し解決できる人材の採用を行いたい企業向けと言えるでしょう。
画像引用元:リクルートエグゼクティブエージェント
https://www.recruit-ex.co.jp/
リクルートが保有している日本屈指の人材ネットワークを活用できるため、スピーディーに人材を紹介することを得意としています。急遽補填が必要になった場合などできるだけ早く採用まで行いたい企業に向いていると言えるでしょう。
画像引用元:東京エグゼクティブ・サーチ公式HP
https://www.tesco.co.jp/
ピュアサーチと呼ばれるサーチ方法で「転職を絶対したくありません」といった人物にまでアプローチをしているのが特長。自社が求めるスキルを持つ人材を徹底的に洗い出してもらいたい企業に向いていると言えるでしょう。