企業が変革期や成長フェーズに突入した際、必要となるのが「プロ経営者」としてのCxO人材です。CEO、CFO、COOといったポジションには、単なる管理者ではなく、“会社全体の方向性を理解し、自ら実行に移す力”が求められます。
本記事は、YouTube動画「ゴールドマン・サックス出身のCFOが語る経営人材になるために必要な資質」の内容をもとにした、ゴールドマン・サックスで20年にわたりグローバル財務責任者などを務めた後、CxOとして多様な企業支援を行ってきた人物の実体験に基づいた話です。
本来は「CxOを目指す個人向け」に語られた内容ですが、企業側が「どのような人材を選び、どのように活かすべきか」を考えるうえでも多くの示唆を含んでいます。
本記事では、同動画の内容をもとに、企業がCxOを迎える前に考えておくべきポイントを整理しました。エグゼクティブサーチを依頼する際の判断材料として、ぜひご活用ください。
かつては、金融機関出身者のセカンドキャリアの多くが、再び金融業界や外資系企業内にとどまるものでした。事業会社側が、報酬体系や組織文化の違いから「金融プロ人材」を十分に活かせなかったのです。
しかし現在は、スタートアップやグロース企業の増加、経営体制のプロフェッショナル化により、外部からのCxO登用が一般化しています。特に、財務の知識と事業戦略を橋渡しできる人材へのニーズが高まっています。
CxO人材は「高度な専門性」に加え、「現場に寄り添える感覚」や「経営との整合性」を持ち合わせてこそ、真価を発揮します。金融出身者に限らず、多様な背景を持つ候補者の中から、そうしたバランスの取れた人材を見極めることが、企業側には求められています。
CxOに必要とされる能力は、単なる専門スキルにとどまりません。動画では、現場で活躍してきたCFOの視点から、以下の3点が特に強調されていました。
企業にとって重要なのは、「数字に強い」だけでなく、「その数字を経営層や現場に伝えるコミュニケーション力」を持っていることです。CxOには、ファイナンスを言葉に変え、戦略と接続させる能力が求められます。
事業会社で働く社員の多くは、営業、開発、製造といった異なる世界で生きています。CxOは、そうした多様な層と信頼関係を築く力がなければ、改革も戦略浸透もできません。
高い役職に就いていても、基本を軽視する人材に経営は任せられません。動画では、「時間を守る」「資料を丁寧に仕上げる」「プレゼンのチェックを怠らない」といった基本動作の重要性が何度も語られていました。
CxO採用においては、企業側が「何を求めているのか」を明文化できていないと、候補者とのミスマッチが起こります。以下の3点は、エグゼクティブサーチを依頼する前に必ず整理しておくべきです。
候補者が「何を求められているのか」を明確に理解できるよう、定量的・定性的に要件を伝える必要があります。任せたい範囲、責任の深さ、関与する事業領域などを具体的に共有することが欠かせません。
外部からCxOを迎える場合、既存の幹部や社員の間に警戒感が生まれがちです。特にプロパー出身者が昇進を期待していた場合、反発や協力拒否が起きることも。先回りして関係構築・説明責任を果たすことが、着任後の成果にも直結します。
「自由にやっていい」と言いつつ、実際には意思決定の自由がない——こうした“期待と現実の乖離”がCxOの早期退任につながることもあります。ファンド出資先などで起こりがちな“曖昧な権限設計”は、早い段階で見直すべきポイントです。
急成長を目指す企業にとって、CxO人材の登用は“勝負をかける一手”です。ただし、CxOは単なる「ポジション」ではなく、役割と責任、そして変革を背負う存在です。採用する側としても、その本質を理解しておくことが求められます。
特に創業フェーズの企業では、CFOやCOOであっても現場実務を担う場面が多く、机上の戦略だけでは通用しません。
候補者にとっては“何でも屋”のような印象を持たれがちですが、企業としてはこの幅広い経験をどう支えるかが重要です。
事業が軌道に乗ってきた企業にとっては、CxOが中期ビジョンを策定し、従業員と外部関係者を巻き込む「リーダーシップと説明責任」が問われます。
CxOの登用は、単なる“人材補強”ではなく、「社内外の信頼構築の柱」として機能させるべきです。
スタートアップや小規模企業では、フルタイムのCxOを置くことが難しい場合もあります。そうしたときは、社外役員や顧問として段階的に関与してもらい、一定の信頼関係を築いた上で正式登用する方法も効果的です。
本動画では、ゴールドマン・サックス出身のCFOが、自身のキャリアを通じて“どのような人材が最終的に選ばれるか”について言及していました。ここから、企業がCxO採用で重視すべき視点が見えてきます。
動画では何度も“当たり前のことを当たり前にできるか”という基準が登場します。CxOとは“トップマネジメント”であると同時に“組織の見本”です。
このような人物観は、企業がCxO人材を選定・評価するうえでの“暗黙の基準”として共有しておくべきです。
CxO採用の成否は、候補者の能力だけで決まるものではありません。企業がどこまで準備できているか、受け入れる覚悟があるかによって、大きく変わってきます。
成功させるための3つのポイントを、あらためて整理します。
採用前に「何を任せたいのか」を言語化し、面談やオファー時に丁寧にすり合わせる。これがミスマッチを防ぐ第一歩です。
既存メンバーに対する説明責任、対話の場の設計、初期の社内関係構築支援など、CxOが孤立しないための体制が必要です。
数字の精度、時間管理、対人対応といった“経営以前の基本動作”を重視する評価軸が、プロ経営者としての資質を見極める重要な指標となります。
今回のコンテンツは以下の YouTube 動画を参考に作成しています。
本動画では、20年にわたってゴールドマン・サックスで活躍し、現在は複数企業のCxOや経営支援を行っている実務家が、「CxO人材に求められる本質的な資質」について、自身の経験をもとに語っています。
語られているのは、財務スキルの高さだけではなく、「現場を理解し共感できる視点」「細部にこだわる実務力」「社内外との信頼を築くコミュニケーション力」など、“プロ経営者”として本当に必要な資質とは何か、という問いに対する深い洞察です。
エグゼクティブサーチを検討する企業にとって、CxO採用の「見えにくいリスク」や「評価すべき本質的なポイント」を理解するきっかけとして、参考にされてみてはいかがでしょうか。
画像引用元:タイグロンパートナーズ公式HP
https://www.tiglon-partners.com/ex-search/
コンサルタントが各業界に精通し経営課題と理念を理解し、そこに共感した人材を紹介しているため、ミスマッチが起こりづらいのが特長。時間をかけてでも自社の課題を把握し解決できる人材の採用を行いたい企業向けと言えるでしょう。
画像引用元:リクルートエグゼクティブエージェント
https://www.recruit-ex.co.jp/
リクルートが保有している日本屈指の人材ネットワークを活用できるため、スピーディーに人材を紹介することを得意としています。急遽補填が必要になった場合などできるだけ早く採用まで行いたい企業に向いていると言えるでしょう。
画像引用元:東京エグゼクティブ・サーチ公式HP
https://www.tesco.co.jp/
ピュアサーチと呼ばれるサーチ方法で「転職を絶対したくありません」といった人物にまでアプローチをしているのが特長。自社が求めるスキルを持つ人材を徹底的に洗い出してもらいたい企業に向いていると言えるでしょう。